日本では戦後に「男女平等」が叫ばれ、国全体で男女平等を推進する動きが見られます。
しかし依然として、現代の日本女性の多くが、生きづらさを感じています。
中でも、仕事の男女格差と、容姿や若さ主義の重圧が大きな課題として指摘されています。

近年、女性が働く環境は、一見多様性が増したように見えますが、実際は多くの女性がキャリアを構築できない状況に直面しています。
特に昇進や賃金の格差は深刻で、男性と同じ仕事をしても評価してもらえなかったり、管理職への道を閉ざされていたりする事例が少なくありません。
また、妊娠・出産・育児のときには、必然的に仕事を抜けなければならず、離職を余儀なくされることもあります。
これは女性にとって不平等であり、仕事のモチベーションを下げる要因となっています。

また、社会の女性に対する容姿や若さへの重圧も大きく、女性たちが外見に対する過剰な期待に苦しんでいる実情があります。
過剰なルッキズムが浸透した日本では、容姿や体型に対し、周囲が平気で心無い言葉を投げかける事例が珍しくありません。
メディアやSNSでも、見た目が美しい女性がもてはやされる傾向にあり、それがさらに美しさを重視する文化を助長しています。
こうした美へのプレッシャーにより、過度なダイエットに走ったり、整形依存症に陥ったりする女性が出てきています。

同時に、日本では特に女性の若さを重視する風潮も根強く残っています。
かつて昭和の時代には、女性の結婚適齢期をクリスマスケーキに例えた「クリスマスケーキ理論」というものがありました。
25日を過ぎるとケーキが売れないことになぞらえ、「25歳を超えると売れ残り」といったような考えが一般的にありました。
現代では、それは時代錯誤であり、差別的な言葉として使われなくなりましたが、若さ至上主義の風潮は抜けていません。
実際、若年層を超えた女性に年齢いじりをしたり、差別的発言をしたりする事象は珍しくなく、「エイジハラスメント」という言葉も生まれました。
これらの問題に対処するためには、社会全体での意識改革が必要です。
表面的な美しさ若さだけでなく、一人ひとりの女性を人として尊重し、正しく評価する在り方を浸透させけなればなりません。